来年度の吟士権コンクール課題選定の時期となりました。令和7年9月13日(土)第2回常任理事会及び審査員会議において審議の結果、下記の通り決定しました。
【漢 詩】 | 【和 歌】 | ||
不識庵機山を撃つの図に題す | 頼山陽 | 東の | 柿本人麻呂 |
時に憩う | 良 寛 | 東風吹かば | 菅原道真 |
桶狭間を過ぐ | 大田錦城 | 吉野山 | 西 行 |
城山 | 西道僊 | 松が枝の | 大岡忠相 |
静夜思 | 李 白 | 形見とて | 良 寛 |
酒に対す | 白居易 | 鶯の | 小野友五郎 |
山間の秋夜 | 真山民 | かくすれば | 吉田松陰 |
楓橋夜泊 | 張 継 | あさみどり | 明治天皇御製 |
◆選定方法について記してみたいと思います。漢詩は人の志を述べるものが多く、和歌は恋愛感情や四季の変化という自然や風流への感動を表すものが多い。課題となる漢詩8題・和歌8首は、上層部で選んだ漢詩12題・和歌12首から、常任理事会及び審査員会議で議論の末、8題8首を決定。基準としては、中国の漢詩・日本の漢詩・七言絶句・五言絶句・剣詩舞のどちらに合うか等々、幅広くさまざまな角度から考えて選んでいく。和歌においては、古き時代の平安から中世、明治以降、近世、現代までを集めた和歌から、偏らないように決めていく。課題が出揃ったところで、次に各流・各会で茨吟連以外の読み方があるかを確認し、平仄の面から認められない場合は却下。平仄や押韻の制約等、厳格な形式を重んじ、正しくなされているか一題一句よく確認し、ようやく決まります。
◆『君が代に学ぶ』和歌8首が決まったところで、これは余談ですが、ゆったりとした雄大なリズムで歌い上げる日本の国歌『君が代』は1番のみで、文字に起こしてみると実は世界で最も短い国歌となる。和歌57577のリズムを基本に、3句目を字余りの6音とした構成。歌詞のついた国歌の中では最も短い歌となるが、世界にはこれを超えた歌詞のない国歌も存在するそうだ。
◆私の知るかぎりでは、かなり以前、昭和の時代から吟士権コンクールには課題を設け今に至っています。解説集が完成するまでの工程には、想像以上の大変な手間がかかっている事を、皆さんはご存知でしょうか。吟士権の課題を自由吟にすれば、煩雑な作業を減らせるのでしょうが・・・近年の解説集は吉田裕峰理事長が編纂しております。解説集の中の通釈・語釈・解説・作者等の項目を参考に、歴史や謎を紐解いていくのも作者の心情や漢詩・和歌の情景を理解するうえで必要不可欠です。解説集を上手に活用して、学び、愉しみ、そして味わいましょう。
【行事案内】吟士権コンクールに先立ち、来る10月18日(土)課題吟・和歌の講習会を予定しています。参加者は申込みが必要です。競吟者はもちろん、指導者の方も是非ご参加ください。当日は受付で資料を配布します。茨吟連が発行する『吟士権課題漢詩・和歌解説集』部数限定で1部500円もご準備ください。只今編纂中です。なお、来年度の吟士権コンクールの日程は、来年1月以降のご案内となります。ホームページ〖年間行事〗にてご確認ください。講習会は師範・準師範認証審査会終了後の午後を予定しております。参加者は早めの会場入りをお願いします。
茨吟連では随時会員を募集しております。ホームページ〖お問い合わせ〗フォームより必要事項を入力し送信してください。折り返し当方よりご連絡させていただきます。少々お待ち頂く場合もございますご承知おきください。電話番号は必須ですお忘れなくお願いします。お待ちしております。